Healing Landscapes


作家の言葉      

「癒す風景」 

私たちが住むこの苦しみの多い世界は、心と精神を鎮めるための美とイメージ
を必要としています。「癒す風景」展は、見る人の心を開くような作品となる
ように努力している、私のライフワークの一連の企画です。
写真家として自然の神髄をとらえるには、レンズのないピンホールカメラが最
もよい方法だと私は体験から知りました。ピンホールカメラは、人が目で見ず
に感知するものをとらえることができ、その写真は、生きて呼吸しているダイ
ナミックな自然の息吹を伝えます。ピンホールカメラの長い露出による〃時間
変化〃が生み出すやわらかなシーンは、神聖さと郷愁の感覚を呼び起こします
これが、私たちが自分の内面の奧深くに存在していると知っている、平和で美
しい世界のビジョンなのです。
私は、それぞれの人が、その存在の様々な在り様を表している心の風景をもっ
ていると信じています。そして私の写真が、その心の風景への飛び石としての
役目となることを期待しています。人は心の中の風景を発見することによって
心の平安を見出だすからです。探求の結果であろうと〃偶然の出来事〃であろ
うと、私が見つけた癒す風景は、常に私の人生とカメラにその道を見つけます
私にとって野の中に在ること、自然の真っただ中にいることは喜びです。夜明
けの静けさや嵐の風を体験することに、私は安らぎを覚えます。自然のリズム
は私の魂と和し、私と調和する……私の感情と感性を刺激するイメージを私が
見つけるのは、まさにその時なのです。
自然の訴える力は普遍的で、限界はありません。私はこれらの写真が、健康で
幸せな全世界を現実化するための、ささやかな貢献となることを祈っています

エドワード・レビンソン
1995

 

Edward Levinson (1995)